那須町で昨年3月、登山講習会中の大田原高の生徒、教員計8人が死亡した雪崩事故で、県教委は19日、講習会で主導的立場だった教諭3人を停職処分とした。「8人が報われない」。遺族は口々に不満、憤りをあらわにした。8人が死亡、40人が重軽傷を負った事故は間もなく発生から1年。「この処分が妥当なのか、判断できない」。処分の理由について、県教委の説明を求める声も上がった。

 「8人の命と比べると、あまりにも軽い」。教員で唯一犠牲になった同校山岳部第3顧問毛塚優甫(けつかゆうすけ)さん=当時(29)=の父辰幸(たつゆき)さん(65)は、3人の停職処分などの決定を厳しく批判した。登山初心者の優甫さんは講習会終了後、同部顧問を外れる予定だった。「優甫は犠牲者。これでは納得できない」。辰幸さんは同じ言葉を繰り返した。

 遺族は16日、宇田貞夫(うださだお)県教育長に要望書を出し、関係者の懲戒免職処分などを求めていた。だが県教委が19日発表した処分は、要望とは懸け離れたものだった。

 高瀬淳生(たかせあつき)さん=当時(16)=の母晶子(あきこ)さん(51)は「命の重みを分かっていない」と唇をかんだ。事故が故意でないのは分かっている。それでも「生徒の命を預かる人として、職務怠慢。親としては納得なんてできない」。

 別の父親(52)も「結果の重大性と釣り合いが取れていると思えない。自発的に職を辞してほしいのが本音」。特に停職の3人には「今後、何事もなかったかのように教育現場に戻るとすれば、抵抗感がある」との心情も明かした。