毎回、真っ向から意見が分かれていた鹿沼市議会の新庁舎整備検討特別委員会が採決の結果、大差で「廃止」となった。昨年6月、当時の議長命での特別委員会設置は1年ももたなかった。

 原因は何か。建設費高騰のため一時凍結していた新庁舎建設が、熊本地震で市役所が防災拠点として再認識され状況が一変。本年度の予算で市は再スタートをアピール、市長選で相対した自民系を軸としたグループは「きちんとした説明を受けていない」と反発。ボタンの掛け違いで、争点は原点の建設場所となってしまった。

 議会便りの「全議員の考え公開」と突如出た「全戸アンケート」は市民に奇異に映った。結果的にアンケートは実施費用が捻出できず中止に。さらに業者から新庁舎の基本設計のイメージ図が公表されたことで、次第に流れは「現在地へ建設」「委員会は廃止」となっていった。

 増渕靖弘(ますぶちやすひろ)委員長は「これから現在地での建設に特化して話し合うつもりでいただけに非常に残念」と話す。反対討論で出た「廃止は自己否定、自殺行為に等しい」は説得力がある。まとまった案が無理であれば、せめて理念などを示せなかったか。議会の役割をもう一度考えたい。