任期満了に伴う25日投開票の大田原市長選は18日の告示まで1週間を切った。3選を目指す現職の津久井富雄(つくいとみお)氏(68)=自民、公明推薦=と無所属新人の農業本沢捷治(もとざわかつじ)氏(73)が立候補を表明し、選挙戦となることが確実だ。津久井氏が大勝した2014年の前回市長選と同様の構図だが、保守系を網羅する津久井氏陣営の態勢は前回より強固になっている。“一強”となった背景を探った。

 「津久井氏の2期8年の集大成が(17年10月に明らかになった)資生堂の大田原市進出。理由の一つが間違いなく市政の安定にあったのではないか」。1月20日、市内のホールで開かれた津久井氏の後援会決起大会で、斎藤典男(さいとうのりお)後援会長は力強く訴えた。

 壇上には簗和生(やなかずお)衆院議員、渡辺喜美(わたなべよしみ)参院議員など国会議員や県議、市議がずらりと肩を並べた。用意した800部の配布資料が足りなくなり、会場は熱気に包まれた。

 その約2週間後、本沢氏が市内で出馬の記者会見を開いた。「発想の転換を求めて立候補を決意した。無駄な補助金行政を止める」などと強調する横で、妻の節子(せつこ)市議が見守った。節子氏は前回市長選に立候補し、津久井氏に大差で敗れた。2人は元共産党員の同志。津久井氏陣営は「(本沢氏の立候補表明は)想定内」と冷静に受け止めた。

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 津久井氏陣営の態勢はこの4年間、徐々に固まってきた。陣営幹部が「大きかった」とするのが、15年の県議選前に旧みんなの党系重鎮で元黒羽町長の斎藤氏が、過去に津久井氏が県議選で戦ったことのある当時みんなのクラブ代表だった相馬憲一(そうまけんいち)県議の後援会最高顧問に就いたことだ。これで保守系を網羅する態勢が強まった。

 相馬氏はみんなの党代表だった渡辺氏を共に支持し、10年の市長選で津久井氏に敗れた千保一夫(せんぼかずお)氏と近い関係だったが、15年の県議選前にたもとを分かった。県議選では千保氏のグループ市議の新人女性が立候補するも落選。当選した相馬氏は「斎藤氏に恩義がある」と明かす。

 千保氏は15年、市議として“復活”。16年には相馬氏が自民党に復党した。

 市議会(定数26)は、多数を占める津久井氏の支持勢力が「反千保氏」で結束。今回の市長選に「千保氏が何か仕掛けてくるのでは」と警戒感があった。が、千保氏は「私に力があれば誰か出すことがあるかもしれないが、もう力はない」と語った。