〓(歌詞符号)下を向いていたら、虹を見つけることはできないよ…。喜劇王チャプリンが主演映画「サーカス」の主題歌として自ら作詞し歌った「ブランコをこげ、少女よ」の一節である。元気が出る名言として、今も多くの人を勇気づける▼41歳で脊椎を損傷し、車いすの生活を余儀なくされた日光市の福冨泰宏(ふくとみやすひろ)さん(44)も、この言葉に感銘を受けた一人だ。今春アーチェリーと出合い、厳しい練習にくじけそうになるたびに思い出す▼目下の目標はとちぎ国体で表彰台に上ることという。虹を見つけるため前を見続けられるのは、家族や仲間の理解と助けがあるからこそ。福冨さんの偽らざる思いだ▼一方で、差別や偏見が今なお残るのも現実である。「障害者にどんなイメージをもっていますか」。先日の作新学院長杯中学生の主張コンクールで、最高賞に輝いた同学院中等部3年岡部隆穂(おかべたかほ)さんはこう問い掛けた▼障害のある家族に偏見の目を向けられたことが背景にある。ミスを重ねた人を障害者に例える発言を聞き、心を痛めたこともあった。岡部さんは、「(先入観をなくすため)障害者と接してほしい」と訴える▼数々の名言を残す喜劇王にはこんな言葉もある。「私たちは皆、互いに助け合いたいと思っている。互いの幸福によって生きたいのだ」。共生社会の成熟度が問われている。