県TPP(環太平洋連携協定)等対策本部(本部長・福田富一(ふくだとみかず)知事)は29日会合を開き、日本を含めた11カ国でTPPが発効された場合、本県の農業生産額は牛肉や豚肉など5品目で最大32億3千万円減少するとの試算を示した。欧州連合との経済連携協定(EPA)でも4品目で同20億8千万円減少する。一方、本県全体への経済効果はTPP11が1240億円、日欧EPAは827億円押し上げる見込み。

 二つの通商協定は手続きが順調に進めば、2019年に発効する見通し。TPPは新たな枠組みとなったため、改めて試算し、米国の離脱により生産額の減少幅は縮小した。日欧EPAの試算は初めて。

 特にマイナスの影響が懸念される農業分野は政府の方式に準じて試算した。県農政課によると、まずTPP11は国の試算対象33品目のうち5品目を抽出し、試算した。生産額は計約16億6千万円~32億3千万円減る。16年の本県の農業算出額2863億円の最大1・1%に相当する。

 品目別で影響額が最も大きいのは牛肉で、最大17億2千万円。次いで豚肉が同11億5千万円減る見通し。安価な輸入品との競争により、畜産関係を中心に価格下落が懸念される。

 コメは政府が生産への影響はないとしている。米国の離脱などの影響で、鶏肉も試算から外れた。

 日欧EPAでは政府の28品目のうち、豚肉など4品目で影響をはじいた。豚肉は最大11億円、牛肉は同8億円減るなど、減少額は計約10億5千万円~20億8千万円で、県の農業算出額の最大0・7%に相当する。

 福田知事は同日の記者会見で「影響が最小限となるよう体質強化に努め、攻めの農業を展開していきたい」と述べた。