子どもの頃は、茨城県に海水浴に連れて行ってもらうのが何よりの楽しみだった。いつでも海に行ける地元の子らをうらやましく思い、海なし県に生まれたわが身を哀れみもした▼天皇、皇后両陛下が臨席する「三大行幸啓」と呼ばれる行事があるという。国体と全国植樹祭は本県開催の実績もあって承知していたが、先日、高知県で開かれた全国豊かな海づくり大会が含まれていることは知らなかった▼海岸線を持たない内陸県は、本県をはじめ全国に8県ある。肝心の海がないのだから、この大会とは無縁なのだろうと思っていたらさにあらず。今年で38回を数える大会の歴代開催地に滋賀、岐阜、奈良の3県があるではないか▼漁業法で海に区分される琵琶湖を抱える滋賀県は分かるが岐阜、奈良両県は「清流」や「豊かな森」が海づくりにつながるとの理屈だという。国は全国すべての巡回を予定しており、現時点では未定だがいずれは本県開催もありそうだ▼大会の目的である「水産資源の維持培養」の観点で見れば、本県はアユの漁獲高が全国3位、ニジマスの養殖でも4位という内水面では名だたる漁業県の一つである▼だが、放流に取り組むなど漁業振興を支える漁業組合員数の減少が止まらないといった課題を抱えている。大会開催が問題解決の一助になればいいのだが。