東名高速道路で6月、ワゴン車の夫婦2人が亡くなった追突事故を機に、運転中の感情コントロールが注目されている。“車社会”の本県でも、ドライバー同士のトラブルは少なくないとみられる。怒りをはじめとする感情教育の専門家で、人材育成や研修を手掛ける「カラリア」(宇都宮市)代表の斎藤美華(さいとうみか)さんに、運転中のイライラの原因や対処法を聞いた。

 「もたつく車に文句を言いたくなる。パッシングや接近しても目の前から消えず、対抗されると、爆発して止めてでも注意したい。暴言や手が出る時もある」

 ある男性が、斎藤さんに打ち明けた運転中の心理状況だ。ハンドルを握ると人が変わり、「このままでは仕事も信頼も失ってしまう」と相談に訪れた。

 「運転時のイライラは受講者からもよく聞く」と斎藤さん。「後続車にあおられた」「割り込まれ、急ブレーキをかけられた」「譲ったのに、礼をしない」などの理由が目立つという。

 どんな人がイライラしやすいのか。斎藤さんは「マナーを守る『べき』が強い人と自分勝手な人。この2通りがいる」と指摘する。

 交通ルールや礼儀を守る「べき」が強い人は、それに反した相手にイラッとする。自分勝手な人は「この程度は誰でもやっている」と自分に甘く、他人に厳しい面があるという。

 車内という空間も怒りを助長しやすい。「自分のスペースが守られているため、素に近い。車に乗っていることで、自分が大きく強く思える錯覚もあります」

 重大な事故につながりかねない怒りの感情。体の興奮を抑えるために、ゆっくり飲み物を飲む、ゆっくり息を吐くなど、車内でできる対策を覚えておきたい。

 時間がなくてイライラする時は「急がば回れ、と口に出してみましょう」。