那須疏水「世界かんがい施設遺産」に 地元関係者が喜びの声

 「世界に認められた」「先人たちも喜んでいるはず」。那須疏水の「世界かんがい施設遺産」登録が発表された11日、申請した那須野ケ原土地改良区連合(那須塩原市接骨木(にわとこ))など関係者は喜びの声を上げた。明治時代の国策としての工事着工から140年近く。かつて「不毛の地」といわれた那須野ケ原を潤し続けるかんがい施設に光が当たった。

 国策で始まった那須疏水は、1885年に那須塩原市西岩崎から千本松を結ぶ本幹水路(16・3キロ)が完成。翌86年までに4本の分水路ができた。戦後、新たな用水確保のために国営事業を実施し、深山ダムなどの貯水池も築造された。総延長は約330キロに及ぶ。

 申請した那須野ケ原土地改良区連合の吉沢昭栄(よしざわあきえい)事務局長は「那須疏水は日本三大疎水の一つで、世界的にも価値が認められた」と喜んだ。「今後も命ある水を守っていきたい」とした上で、「水路の維持管理は大変。那須疏水を地域の財産として再認識してもらえる機会になればいい」と期待を寄せる。

 那須野が原博物館によると、事業が始まった当時は開拓を進めようにも水が不足していた。思うように入植が進まない状況を一変させたのが、那須疏水の完成だったという。