車を運転していると、よく目に入ってくる農産物直売所。野菜や果物に季節を感じ、値段の安さにも驚かされる▼県内には約200カ所あり、昨年の総売り上げは154億円に上った。延べ利用者はここ10年で5割ほど増え1659万人に達した。まさに活況である▼各直売所とも農産物だけでなく、それらを使った加工品に工夫を凝らす。本県の最東、茨城との県境にほど近い茂木町飯の「いい里さかがわ館」では、手作りの弁当が好評だ▼地域の農家が協議会を設立し、直売所運営を始めて10年がたつ。昨年は1億2500万円を売り上げた。従業員が考える日替わり弁当は、地元産のコメ、野菜を使用。ハイキングコースやミツマタの群生地が近く、シーズンの週末には1日100食を販売する。今年は地産地消で県の表彰を受けた▼県のグランプリに輝いた「大根のたまり漬け」、レストランで提供する手打ちそばも、地元産へのこだわりが人気の秘訣(ひけつ)だ。店内に並ぶ新鮮な野菜は、地区内130軒の農家が入れ替わり持ち寄っている▼従業員も全員地元の農家で、篠田隆(しのだたかし)支配人は「最初は素人ばかりで、応対も危なっかしかった」と振り返る。茂木町は人口減少率、高齢化率の高さが懸念される。直売所の繁盛が、若い世代が地元に残るきっかけになってくれればいいのだが。