チャイルドラインのポスターを手にする松江理事長。放課後の時間帯に毎日、電話相談を受け付けている=24日午後、宇都宮市

チャイルドラインのポスターを手にする松江理事長。放課後の時間帯に毎日、電話相談を受け付けている=24日午後、宇都宮市

チャイルドラインのポスターを手にする松江理事長。放課後の時間帯に毎日、電話相談を受け付けている=24日午後、宇都宮市 チャイルドラインのポスターを手にする松江理事長。放課後の時間帯に毎日、電話相談を受け付けている=24日午後、宇都宮市

 県教委の問題行動調査ではいじめの認知件数が高止まりし、多くの子どもが悩みを抱える現状が浮かんだ。県内の学校関係者はいじめの早期の発見に努める一方、会員制交流サイト(SNS)上など“見えにくい”いじめへの対応に苦慮する現実を明かす。「悩みがあれば、はき出してほしい。一緒に考えていこう」。いじめなどの相談を受け付けているNPO法人は、子どもたちにそう呼び掛けている。

 県央の小学校の男性教員(35)は、子どもたちの表情や会話、休み時間の過ごし方などを常に気に掛ける。「嫌な思いをしている子はいないか」と、いじめの兆候がないか目を凝らす。 今年、男子児童へのいじめが発覚した。男児は一緒に遊んでいたグループの輪におらず、表情が暗かった。別の教員が話を聞くと「一緒に遊びたいけど入れてもらえない」とこぼした。 教員全体で情報を共有し、児童や保護者と話し合いを重ねた結果、いじめはなくなり、男児はグループに戻ったという。

 「とにかく早いうちにいじめの芽を摘むことが大切」と男性教員は強調する。 いじめの早期発見に務める教育現場。だが、教員の目が届きにくいのが、小学生にも浸透しつつあるSNS上のやりとりだ。同調査結果によると、県内の小学校のいじめで「メール等の誹謗(ひぼう)中傷」の認知件数は43件で、前年の3倍以上に増えた。

 「誰と誰がグループを作っているのか、どんな会話をしているのか。いじめの芽を摘むのが難しい」と男性教員は頭を悩ませる。

 NPO法人「チャイルドラインとちぎ」(宇都宮市)には昨年度、100件超のいじめ相談が電話などで寄せられた。中にはいじめる側からの相談もあったという。

 「悪いことをしているのは分かっている…」と漏らす子どもの声。松江比佐子(まつえひさこ)理事長(59)は「止めてもらいたいという気持ちがあるのだろう」と想像する。

 「あなたはとても大切な存在なんだよ」。松江理事長は子どもたちに訴える。「被害者、加害者、どんな立場でもいいから悩みは相談して」。相談受け付けは午後4~9時(金曜は午後11時)。チャイルドライン0120・99・7777。