「健康被害、広く救済を」 医療費不支給の一部取り消し、接種女性の母親ら会見

 1990年に当時1歳9カ月で新三種混合(MMR)ワクチンを接種後、けいれんなどの健康被害を訴えた宇都宮市の女性(29)に、県が接種との因果関係を認め、国による医療費などの不支給処分を一部取り消す裁決をした問題で、女性の母親(57)と代理人が20日、県庁記者クラブで記者会見した。裁決に一定の評価をしつつ「予防接種の健康被害は厳密な因果関係が証明できない場合も多く、疑わしい症状は広く救済すべきだ」と訴えた。

 裁決は14日付。高熱を伴う熱性けいれんとの因果関係を認め、女性が関連を訴えた知的障害とてんかんは認めなかった。

 会見には母親と、代理人でMMR被害児を救援する会の栗原敦(くりはらあつし)事務局長(64)、ワクチン問題に詳しいNPO法人「コンシューマネット・ジャパン」の古賀真子(こがまさこ)理事長(60)が臨んだ。

 母親は救済制度を知らず医療費などの支給申請まで接種後20年かかったが、代理人は「本来、医療機関や行政が救済制度の周知を徹底すべきで、副反応が起きない前提でワクチン行政が進んでいる」と批判した。

 当時のカルテが一部廃棄されるなど資料の収集が困難となったとし、母親は「もっと早くに申請していれば」と悔やんだ。一方で「ワクチン接種後に同じように苦しんでいる方がいれば、声を上げてほしい」と力を込めた。