米インターネット通販大手アマゾン・コムが、人工知能(AI)を人材評価に活用しようと開発したプログラムに、女性を差別する欠陥があり、開発を中止したとロイター通信が報じた▼社内で開発したAIは、まず過去10年間の応募者の履歴書を学習した上で、新たな応募者の履歴書を分析し、自動的に格付けする。だが、技術分野は応募者の大半が男性という現状を反映し、女性を不当に低く評価した▼AIが女性差別や人種差別で批判されるケースは後を絶たない。膨大な人間のデータを学習するが、差別や平等といった抽象的な概念を理解するわけではなく、そこに限界があるともいわれる▼昨年5月、世界最強とされる中国人棋士に圧勝し、話題をさらった英ディープマインド社の「アルファ碁」は、人間の棋士の対局を大量に学習した後、自己対局を繰り返して強くなる仕組みだった▼だが、その後発表された「アルファ碁ゼロ」は人間の対局データを全く使わず、ルールだけを教えられた後、自己対局で最強になった。さらに発展させた「アルファゼロ」は、囲碁に加えて将棋とチェスでも世界最強となったという▼その調子で、欠点の多い人間が作るデータに頼らないAIの進化に期待したいが、盤上のゲームよりはるかに複雑な人間社会の問題解決はまだ難しいのだろう。