栃木・市村理髪館が「理容遺産」に 県内初 岡田記念館内、明治期の道具残る

栃木・市村理髪館が「理容遺産」に 県内初 岡田記念館内、明治期の道具残る

 栃木市嘉右衛門(かうえもん)町の岡田記念館内に保存されている「市村(いちむら)理髪館」が、全国理容生活衛生同業組合連合会(東京都)が認定する「理容遺産」に県内で初めて選ばれ、同記念館で4日に認定証授与式が行われた。市村理髪館は県内最古の理髪店とされ、保存されている建物や椅子、はさみなどの器具の文化的価値が高く評価された。同記念館の岡田陽子(おかだようこ)館長(81)は「とても驚いている。これからも大事に残していきたい」と喜んでいる。

 「理容遺産」は、歴史的に価値のある理容施設や設備を次世代に伝えようと、同連合会が2011年に創設。12、13年に島根県の世界遺産「石見銀山」内の理容館アラタなど4件を選んだほか、本年度は市村理髪館を含め都内の同連合会の理容ミュージアムにある昭和天皇が使用していた理容椅子やはさみなどの道具、名古屋市に展示されている「南極観測船ふじ」の理容室など4件を選定した。

 市村理髪館は、室町時代から続く市屈指の名家岡田家の敷地を借り、1871(明治4)年の断髪令を機に市村氏が開業したとされる。当時は岡田家の家人や屋敷に出入りする人々が中心で“一見さんお断り”。旧日光例幣使街道沿いにあることから、高度な技術を求め県外からも客が来るなど、地元をはじめ多くの人に愛されたという。