電炉を使った中堅の鉄鋼メーカーの東京鉄鋼(小山市横倉新田、吉原毎文(よしはらつねぶみ)社長)と伊藤製鉄所(東京都千代田区、伊藤寿健(いとうとしたけ)社長)は28日、経営統合に向けた協議を始めることで合意したと発表した。両社は建築向け鉄筋棒鋼などの鉄鋼製品を主力としている。鉄筋コンクリート造の需要減少や原材料のコスト高で経営環境が厳しくなっていることから、統合により経営効率化と競争力強化を目指す。

 両社は同日開催の取締役会の決議に基づき統合に関する覚書を締結した。東京鉄鋼は小山市と青森県八戸市、伊藤製鉄所は茨城県つくば市と宮城県石巻市にそれぞれ工場を保有しており、統合により4工場の効率的な運営を図り、コスト削減を図る。生産技術や人材も一体化して生産性を高め、営業力を強化するほか、鉄スクラップなど原材料仕入れ面でスケールメリットによる調達コスト低減を目指す。

 両社は2005年に東北地区で共同販売会社「東北デーバー・スチール」を設立し、共同運営を行っていることや、14年から伊藤製鉄所が東京鉄鋼の異形棒鋼「トーテツコン」の相手先ブランドによる生産(OEM)を受託しているなど協力関係を構築してきた。しかし近年は需要減に加え、人手不足による着工の遅れも出荷量の減少に拍車を掛けているという。

 東京鉄鋼の17年3月期の連結売上高は435億円、伊藤製鉄所の単体売上高は216億円。両社とも前期に比べ減収減益となっていた。東京都内で記者会見した東京鉄鋼の柴田隆夫(しばたたかお)取締役上席執行役員は「経営環境は厳しさを増しており、両社の関係を一層発展させることが必要」と強調した。

 今後は両社で設置する統合検討委員会で、統合の具体的な形態・方法、統合比率、統合後の会社名称、本店所在地、代表者・役員構成などを協議していく。