「忘れない」と誓い新たに 全国戦没者追悼式、栃木県からも遺族76人

 東京・日本武道館で15日行われた全国戦没者追悼式には、本県から遺族76人が参列した。戦争の記憶が遠くなりつつある終戦72年目の夏。苦労を共にした遺族のつながりを求める高齢者がいれば、曽祖父の慰霊に訪れた小学生の姿もあった。北朝鮮を巡り国際情勢が緊迫の度を増す中、平和への願いは全世代に共通していた。

 本県参列者で最高齢の小山市出井、農業星野民男(ほしのたみお)さん(87)は、兄伝一郎(でんいちろう)さん(享年24)が1943年12月、南太平洋のニューブリテン島で戦死した。陸軍兵だった兄は出征前、しばらく宇都宮市内に駐屯する、と浴衣姿で家を出たのを覚えている。「なぜ兄は死ななければならなかったのか。分からないことだらけだ」。遺骨はなく、最期の様子も分からない。

 会場中央最前列には安倍晋三(あべしんぞう)首相の姿があった。「もし話し掛けるとすれば」と尋ねると、星野さんは「二度と戦争のない国にしてほしい」と答えた。「アメリカと北朝鮮の戦争になれば、日本は戦場になってしまう。戦争だけは回避してほしい」

 最年少は日光市木和田島、小学6年石岡(いしおか)このはさん(11)。母方の曽祖父狐塚六郎(こづかろくろう)さん(享年24)が中国で死去した。「終戦から長い年月がたっているのに、多くの人が全国から集まってくるのはすごい。戦争を忘れないようにしなくては、と改めて思った」と、母みゆきさん(45)と参列した。