海岸に漂着するプラスチックごみの一つに、小さなプラスチックの粒がある。直径は5ミリほど。白い球形や円筒形で、透き通ったものや半透明のものなどさまざまだ▼「レジンペレット」と呼ばれるもので、溶かしてさまざまな製品にする前の未加工の原料だ。製造過程や加工工場に運ぶ途中などに意図しない形で放出され、川や海に流れ出る▼プラスチック汚染問題に詳しい東京農工大の高田秀重(たかだひでしげ)教授は「環境中では分解されにくいのでペレットは海に広がり、世界中の浜辺で見つかります」と話す▼海洋汚染が問題になっている直径5ミリ以下のプラスチック微粒子「マイクロプラスチック」の代表格である。海鳥などが餌だと間違えてのみ込むことも多いともいわれている▼高田さんは世界各地の市民に呼びかけて海岸で集めたペレットを送ってもらい、その成分などを分析する「国際ペレットウオッチ」という活動を進めている。ペレットは、ポリ塩化ビフェニール(PCB)などの有害な物質を吸着し、周囲の海水よりもはるかに高濃度の汚染物質を含んでいることが分かった▼「海に出たプラスチックは単なるごみではなく、有害化学物質の運び屋でもあるのです」と高田さん。海辺にたまった小さな粒が、使い捨てプラスチック文明からの脱却が急務であることを訴えている。