登山者や農家の悩み解決 ニガリでヤマビル退治、凝固剤を開発 佐野・中里さん

 【佐野】山間部などで人の血を吸い、登山者や農家の悩みの種となっている「ヤマビル」。県南環境森林事務所の中里司(なかざとつかさ)さん(66)は、豆腐を作る際に使うニガリを利用し、ヤマビルが触れただけで固まる新たな凝固剤を開発した。11日から本格発売する。山に入る際に靴や服に散布しておけば、ヤマビルが散布箇所に触れるだけで固まりはがれ落ちる。登山やハイキングの愛好者、農林業従事者らに快適な環境を提供する新たなツールとなりそうだ。

 2016年7月、中里さんは千葉県で開かれた商談会に自身が持つ特許「煮豆調理用の乾燥大豆の生成方法」などを出展。その際に同じ会場にいた水産食品加工業者から「塩を作るとニガリが出る。何か利用できないか」と相談され、活用方法を模索し始めた。

 それまで仕事を通して、林業従事者らのヤマビル被害に悩む多くの声を聞いていた。そこから「ニガリのタンパク質凝固作用で、ヤマビルのタンパク質も凝固できるのでは」と発想。開発過程で自宅の庭にいたヤマビルにニガリの付いた棒を当てると、固まり動かなくなった。

 その後、ニガリを保湿するためにグリセリンを配合。濃度を変えて実験を繰り返し商品化に成功した。主な成分は海水から生まれたニガリや、効果を持続させるためのグリセリンで健康に害はないという。現在、特許も申請している。