塩原三部作(右の3作品)の木版画などが並ぶ会場

 【那須塩原】大正新版画の中心的作家として活躍した版画家川瀬巴水(かわせはすい)(1883~1957)の木版画など125点を展示する特別展が、塩原もの語り館で開かれている。塩原にゆかりのある川瀬の版画デビュー作「塩原三部作」など塩原の風景をテーマにした11作品も会場に並ぶ。同館が川瀬の作品展を開くのは初めて。今年は塩原を舞台にした作品が生まれて100年の節目となることから、同館や塩原温泉観光協会が企画した。18日まで。

 川瀬の研究に携わる国際新版画協会の鈴木昇(すずきのぼる)会長(69)によると、東京都生まれの川瀬は病弱だったため、幼少期に自然豊かな塩原の伯母の家で5年ほど過ごし、第2次世界大戦中は塩原に疎開したという。

 大正新版画は江戸時代の木版画に比べ、擦る回数を増やし、臨場感のある作品に仕上げる点が特徴。川瀬は新版画を確立した人物として知られ、日本の原風景や日本人の心を叙情豊かに表現。欧米では葛飾北斎(かつしかほくさい)や歌川広重(うたがわひろしげ)と並び称されるほどの人気があるという。