育児中のがん患者を支援 栃木県内の医療機関、子どもの不安や孤独に対応

育児中のがん患者を支援 栃木県内の医療機関、子どもの不安や孤独に対応

 フリーアナウンサーの小林麻央(こばやしまお)さんが6月下旬に34歳の若さでがんで亡くなり、子育て世代のがん患者とその子どもへの支援に関心が高まりつつある。県内医療機関では、子どもへの病気の伝え方、子どもの不安や孤独感に対応したさまざまなサポートが展開されている。

 宇都宮市在住の自営業女性(44)は2007年に34歳で乳がんと診断された。当時、一人娘はまだ5歳。「悪いところがあるから治すのよ」と告げて手術と抗がん剤治療を行った。「がん」という言葉が理解できないと思ったからだ。

 闘病中、娘の預け先から「ささいなことで泣きじゃくる」「指しゃぶりをしている」という話を聞いた時、「私の前では明るく、以前と変わらないのに」とがくぜんとした。「子どもは気を使っていたんですね」と振り返る。

 ■平均11・2歳

 国立がん研究センターがん対策情報センターの推計によると、15年現在で親ががんである18歳未満の子どもの人数は約8万7千人。子どもの平均年齢は11・2歳という。

 県立がんセンター(宇都宮市陽南4丁目)は、昨年「子どもサポートのご案内」というリーフレットを作製し、医師やソーシャルワーカー、臨床心理士などにどのような相談ができるのか示した。「子ども支援に関する相談で多いのは、伝え方と反応への対処法」と丸山睦(まるやまむつみ)臨床心理士は話す。

 面談では、子どもの年齢、性格や親子関係、最近の様子などを聞き、伝え方のヒントになる絵本や冊子を紹介しながら一緒に考える。「病気を受け止めきれていない患者もいる。そうした場合は、心が落ち着いてから話しましょう、と助言します」

 子どもに伝えた患者からは「冷静だった」「親の様子から既に察知していた」という反応が多い。今後、相談の傾向や患者の経験談などをリーフレットなどにまとめ、他の患者の参考にしてもらう考えだ。


 ■向き合う力

 自治医大付属病院(下野市薬師寺)は12年から、親が治療中の小学生を対象にした支援グループ活動「CLIMB(クライム)プログラム」を年1回開催している。

 子どもが、自ら考え交流することを重視した連続5回のプログラムで、同病院の患者以外でも参加できる。