宿泊客向け「路線バス無料化」好評 駅からの2次交通強化 那須温泉 

 那須町の那須温泉の宿泊施設が、駅と観光地を結ぶ「2次交通」を強化している。宿泊客向けに、同温泉方面と最寄り駅間の路線バス運賃を昨年度から無料化、観光施設までの足としての利便性も向上し、バス利用者は増えている。今年4月からは一部の宿泊施設が電気自動車(EV)を導入し、宿泊客に観光用として割安な料金でレンタル、日光を訪ねる客など周遊の動きも生まれている。

 JR那須塩原・黒磯両駅まで20~30キロメートルある那須温泉では、鉄道で訪れる宿泊客向けに同温泉旅館協同組合が1997年度から無料シャトルバスを運行してきた。しかし本数はチェックアウト・インの時間に合わせた1日1便で、利便性に欠けていた。

 2015年度でシャトルバスを廃止し、両駅と同温泉を結ぶ東野交通(宇都宮市)の路線バス活用に切り替えた。同組合加盟のホテル・旅館(36軒)に泊まる客でバスを使う人が宿側に事前予約すると、乗車時、運転手に名前と宿泊施設名を伝えれば、往復とも無料で乗れる仕組み。運賃は同組合と宿泊施設が負担する。

 本数が1時間に1、2本ある上、「1日1乗降」無料のため、例えば駅から同温泉の先にある那須ロープウェイまでは無料で行って観光し、その後、宿泊施設へは無料で乗った区間より安い運賃を自己負担して行く、お得な使い方もできるという。

 同組合によると、那須塩原駅~同温泉の大丸温泉間の無料バス利用客は16年度が1万8720人と、シャトルバスの前年度より21%増加した。

 同組合理事長で旅館「山快」の阿久津千陽(あくつちあき)社長(46)は「どの時間のバスにも乗れる、と便利に感じてもらっているようだ」と手応えを語る。シャトルバスの乗降場所は主に駅と宿泊施設の最寄り停留所に限られていたが、路線バスにこうした制限はなく、「周辺の観光施設に立ち寄るなど(客の)行動の幅も広がっている」と指摘する。

 一方、EVは11の宿泊施設が4月、日産自動車、JTBコーポレートセールスと共同し、ミニバン「e−NV200」など日産車13台をリースで導入した。各施設で異なるが、通常のレンタカーより割安な料金で宿泊客に貸し出している。