私事だが、いまだにガラケーの携帯を愛用している。スマートフォンへの変更を勧められるが、いろいろ言い訳をしてしがみついている。生来のものぐさもあるのだろ▼今は4代目。古いものはその都度処分してきたが、直前の3代目は手元に残っている。7年半前、東日本大震災発生時に使っていたものだ▼大震災直後、懐中電灯の下での新聞制作、ガソリンスタンドでの行列、物が散乱した部屋の片付けなど、東北の被災地ほどでないにしても、不自由が続いたのを思い出す。9月の北海道地震で話題になった「計画停電」を知ったのもこの時だった▼3・11の本震に続く余震のたびに送信されてきた緊急速報メールが、消えないように保護したままになっている。たくさんの苦い記憶と教訓が詰まっているようで、処分に踏ん切りがつかないのだ▼東京五輪・パラリンピックのメダル製作に不要な小型家電を活用する取り組みで、9月中旬には、県内全公立校への回収箱設置が始まった。部品に使われる金属をリサイクルするもので、児童生徒には、大会を支えている意識をつくるいい機会になるだろう▼東京五輪・パラリンピックは「震災復興」を発信する重要な側面を持つ。そのメダルに活用されるのなら、3代目も供用される意味があるだろう。お役御免にしてあげようか。