山野井貴浩准教授

 遺伝について学習した中学3年生の約7割が「優性」「劣性」を誤って認識していたとの調査結果を、白鴎大教育学部の山野井貴浩(やまのいたかひろ)准教授の研究室が発表した。優性は異なる遺伝子を持つ個体同士で交配したとき子どもに現れる形質を指すが、多くが「生存に有利な形質」と誤解。山野井准教授は「理科の授業改善が必要」と指摘している。

 日本遺伝学会は昨年、遺伝子の優劣を示す意味と誤解される恐れがあるとして、優性を「顕性」、劣性を「潜性」と言い換えることを決めた。山野井准教授は「子どもがきちんと理解できるかどうかの裏付けを得てから変えるべきではないか」と話す。

 調査は2016年12月~17年2月、県内の公立中学校2校2クラスの60人を対象に実施した。北米に生息するキリギリスの体色を例に、ピンク色と緑色のどちらが優性かを考える授業を行ったところ、7割の生徒が緑色のキリギリスと回答。「緑色は天敵から身を守るのに有利だから」「緑色はよく見掛けるが、ピンク色は珍しいから」などの理由だった。

 だがこのキリギリスは生まれる時点ではピンク色の個体が多く、ピンク色が優性であることがこれまでの研究で分かっている。授業後の調査に対し「『優性の形質は生存において有利である』という誤った考えを持っていた」と答えた生徒は60人中41人(68%)に上った。

 この調査に先立ち、県内の別の公立中と私立中計113人に行った認識調査でも「生きていくために有利だから」という理由で優性の形質を選ぶ傾向があったという。山野井准教授は「さらに大規模な認識調査を行う必要性がある」としている。

 調査結果は日本生物教育学会誌「生物教育」第59巻第3号に掲載された。