栃木市中心部大通りの路地に建つ、築130年以上の土蔵。歴史的な香りが漂う居酒屋「利久」は、庶民の味を提供し続け、長らく地元で愛されてきた。

 1959年創業の老舗。3代目店主の田原克己(たはらかつみ)さん(49)は就職を経て1997年、父で2代目の成彬(しげよし)さん(79)の下で修業を始め、約10年前から中心的に店を切り盛りする。

 2年前から出し始めた「鯖(さば)の鮓烹(すしに)」(税別600円)は、市の新たなグルメ「とちぎ江戸料理」の一つ。魚をおからで煮た、江戸時代によく食べられた料理を現代風にアレンジした。

 魚は脂の乗ったサバ、おからは市内豆腐店のものを使用。味付けはしょうゆと塩などでシンプルに仕上げた。ホイル焼きにすることで、おからを焦がさずうまみを閉じ込めるなど、独自に研究を重ねた。「江戸時代の食文化を感じてみてほしい」と克己さん。

 梅干しや錦糸卵などを散らした「ちらしご飯」(250円)に、ほぐした鮓烹を乗せ丼ものとしても楽しめる。同料理では豆腐を素揚げした「あられ豆腐」(500円)も人気だ。

 モットーは「間口を広く」。克己さんは「いろんなお客さんが気軽に行けるような店にこれからもしていきたいですね」と笑った。

 ◆メモ 栃木市万町6の17。午後5~11時(10時半ラストオーダー)、日曜定休。(問)0282・22・4557。