「おいしすぎてカルチャーショックを受けた」日から、43年がたった。洋食レストラン「ぴっころ」チーフの田中祐一郞(たなかゆういちろう)さん(62)は、働き始めて食べた同店の料理を思い出すと、今でも口元がほころぶ。

 1957年開店の老舗。19歳で従業員となった田中さんは92年、先代の死去に伴い先輩で現店主の高野千草(たかのちぐさ)さん(79)と店を引き継いだ。「からだをなかからきれいに」がコンセプトで「多少値段が上がっても、より良い素材を選ぶ」。

 看板メニューの「どらいかれえ」(税込み900円)と「宇治しぐれ」(同500円)は、開店後に高野さんと当時の従業員で考案した。田中さんはその時のレシピも参考にしつつ、より良い味を目指して試行錯誤を続けてきた。

 どらいかれえは黒毛和牛のひき肉にすりおろしたリンゴやはちみつを加え、独自に配合したスパイスと煮込む。外見はシンプルだが、濃厚なペースト状のカレーでバターライスが進む。ソフトクリームに抹茶とあんこを添えた宇治しぐれは、クリームの甘さと抹茶のほろ苦さの共演が特長だ。

 田中さんは「世代を超えて愛される味を追求していく」と力を込めた。

 ◆メモ 足利市朝倉町591の2。午前11時~午後9時半(8時半ラストオーダー)、水曜定休。(問)0284・71・1117。