「不足」「不備」「不十分」。100ページにわたる検証委員会の第1次報告(中間報告)書は改めて多くの問題点を指摘した。その範囲は春山安全登山講習会の計画や運営状況、指導者者側の力量などにも及び、課題の根深さを浮き彫りにした。

 講習会については「伝統的行事」として「前例を踏襲するのみ」と表現。1950年の佐野高山岳部の雪崩遭難事故も踏まえて始めたとされる講習会のはずが、いつの間にか慣れによって危機管理の意識低下したと示した。

 講師などに対しては「雪崩に関する知識が未熟ないし不十分」「雪崩発生の危険性に対する認識が不足」などとも指摘した。連絡体制の不備なども含め、さまざまな問題があるにもかかわらず、講習会が行われ、事故は起きたことになる。

 なぜ多くの問題が生じ、それに気付かなかったのか。中間報告書提出後の記者会見で、検証委の戸田芳雄委員長は私見と前置きしながらも「正常化の偏見」「マンネリズム」との言葉を口にした。