台風の影響で足早に駅改札を出る人たち=30日午後7時20分、JR宇都宮駅

栃木市が開設した避難所に身を寄せる市民たち=30日午後8時20分、栃木市薗部町2丁目

台風の影響で足早に駅改札を出る人たち=30日午後7時20分、JR宇都宮駅 栃木市が開設した避難所に身を寄せる市民たち=30日午後8時20分、栃木市薗部町2丁目

 「電車に乗り遅れた」「仕方がない…」。台風24号の接近を受け、JR東日本が首都圏の在来線で異例の計画運休に踏み切った30日夜、県内の駅では利用者から戸惑いやあきらめの声が相次いだ。一方、県内市町が開設した自主避難所に身を寄せた避難者は「(台風が)怖い。被害が出ないことを祈るだけ」と不安な夜を過ごした。

 JR宇都宮駅では、駅構内に各線の最終電車の発車時刻の紙が張り出され、多くの人が足を止め駅員に運行状況などを確認していた。乗客は切符の精算などで窓口に長蛇の列を作った。

 宇都宮線の上野行き上り最終電車は、午後7時4分に出発。出発時刻のアナウンスに駆け足で改札を抜ける利用客もいた。

 電車に間に合わなかった人の姿も。小山市に帰宅しようとしていた30代会社員女性は「早めに仕事を切り上げたが、こんなに早く電車が出発するとは思わなかった」と苦笑いを見せた。

 大田原市新富町2丁目、主婦(65)は宇都宮市内でのコンサートを早めに切り上げた。ただ「台風だと車の運転が危ないので宇都宮の長女の家に泊まる」と電車での帰宅を諦めた。

 里帰り出産のため千葉県市川市から宇都宮市に帰省した会社員、朝比奈知津(あさひなちづ)さん(30)は「電車が途中で止まるのではと心配だった。(1日に)検診の予約をしていたので、帰ってこられてよかった」と安堵(あんど)した。

 一方、避難所では住民が不安な胸の内を明かした。

 栃木市薗部町2丁目の同市老人福祉センター「長寿園」に身を寄せた同市薗部町3丁目、70代男性は2015年の関東・東北豪雨で自宅が床下浸水した。「暗くならないうちに早めに避難しようと思った。家の屋根が飛ばされなければいいが…」と不安げな表情。

 大田原市の野崎地区公民館の避難所に自主避難した男性は「土砂崩れや強風を警戒して早めの避難を心掛けた。命を守ることよりも大切なことはないと思った」と話した。