安倍改憲論との距離感は 自民・船田氏に聞く 「首相提案は現実的」だが「期限は意識せず」

 憲法9条に自衛隊を明記するとした安倍晋三(あべしんぞう)首相(党総裁)の改憲案について、自民党の本格的な議論がスタートした。憲法問題に長く携わる党憲法改正推進本部長代行の船田元(ふなだはじめ)衆院議員は23日までに、下野新聞社の取材に応じ「9条改正に正面から取り組むには現実的な内容だ」と首相提案に理解を示した。一方、首相が目指す2020年施行には「唐突との思いは変わらず、与野党協調でやっていくためにも期限は意識しないでやりたい」との考えを強調した。

 首相提案後、同推進本部の役員には首相側近らが加わり、船田氏らの「与野党協調路線」の転換との見方がある。しかし「推進本部の体制が強化されたのは事実だが、改正の現場は憲法審査会。協調路線を崩したら改正はできない」と力を込める。

 船田氏ら推進本部幹部はこれまで、抵抗が強い9条改正は後回しにせざるを得ないとの考えだったが、首相は9条改正を提案した。「われわれが積み上げてきた改正テーマとは違うもので大変驚いた」と率直な思いを述べる。

 その一方で、提案内容は、戦争放棄を規定した9条1項と戦力不保持などを規定した2項を維持しつつ、自衛隊の存在を明記するもので「公明党発案の加憲に近く、民進党とも話し合いができるような内容。その点では非常に良い」と評価する。

 ただ、9条については「平和憲法の中心であり、憲法の命」と位置付け、「だからこそ改正は慎重でなければならない。与党だけという乱暴な議論ではなく、民進党も賛成してもらえるものを目指す。それができて初めて、国民投票で過半数を獲得できると思っている」とした。