本県産イチゴ「とちおとめ」を含む日本産イチゴの品種が韓国に流出し輸出の機会が失われたことで、5年間で最大220億円の損失があるとの試算を20日までに、農林水産省がまとめた。韓国での品種登録ができていれば育成者が得られるロイヤルティーも年間16億円獲得できたとの推計も明らかにした。

 同省によると、韓国のイチゴ栽培面積の9割以上が日本の品種をもとに開発された品種だという。日本の品種が流出していなければ韓国の品種も開発されないと想定し、韓国のイチゴの輸出量(2015年4千トン)から損失額を試算した。昨年1年間の日本産イチゴの輸出額は11億円。

 韓国へ流出した品種は、県が育成したとちおとめをはじめ、個人育成の「レッドパール」「章姫」などが確認されている。韓国ではとちおとめと章姫を交配した「錦香(クムヒャン)」のほか、流出品種の交配で「雪香(ソルヒャン)」「梅香(メヒャン)」といった韓国オリジナル品種が開発された。

 韓国の品種登録制度では、イチゴは12年まで保護対象ではなかったため、栽培の差し止めなどの対策が取れない状況だという。