左=堀口恭司選手((C):RIZIN FF) 右=堀口選手を指導した山本KID徳郁さん(画像内右)と二瓶弘宇さん=2010年8月7日、東京都新宿区(一期倶楽部提供)

 作新高空手道部OBの総合格闘家堀口恭司(ほりぐちきょうじ)選手(27)は30日、さいたま市内で開催される格闘技イベント「RIZIN.(ライジン)13」のメインカードに出場する。今月18日に総合格闘技の指導を受けた山本(やまもと)KID(キッド)徳郁(のりふみ)さん=享年(41)=が逝去し、7月には中学生時代から通う足利市内の空手道場の恩師を亡くした。「勝って2人の師匠に伝えたい」。誓いを胸に、プロ無敗で“神童”と呼ばれるキックボクサー那須川天心(なすかわてんしん)選手(20)との世紀の一戦に臨む。

 堀口選手は群馬県高崎市出身。現在は米国を練習拠点とし「史上最強のメードインジャパン」の異名もある。

 14年前の大みそか。日本中の注目を集めた山本さんとライバルの魔裟斗(まさと)さん(39)の死闘に、当時中学生の堀口選手は胸を躍らせた。高校卒業後に上京し、憧れの山本さんのジムに入門。当初から山本さんにセンスや練習姿勢などを買われ、めきめきと頭角を現した。

 今月16日公開されたRIZINのウェブ番組では、那須川選手との対戦を控え「(14年前の)あの試合みたいに日本を盛り上げます」などと、闘病する山本さんへの思いを語っていた。

 7月に他界したのは、15年間指導を受けた足利市借宿町の道場「一期倶楽部(いちごくらぶ)」館長だった二瓶弘宇(にへいひろう)さん=享年(61)。直後に公開された同番組で堀口選手は「空手でいろんなことを教わり、人生も教わった」と涙ながらに感謝した。

 今も日本滞在中は定期的に同道場で稽古する。21日に訪れた際は二瓶さんの三男孔宇(こうう)さん(27)が練習相手を務め、山本さんが道場に贈ったサンドバッグにも向かった。

 二瓶さんの妻伸子(のぶこ)さん(66)は「恭司はいつも通りの様子で心強かった。勝つことがKIDさんへの恩返しになる」とエールを送る。当日は道場を挙げて会場に応援に行くという。

 キックボクシングルールが採用された、那須川選手との一戦は国内格闘技界最高のカードと注目され、会場はほぼ満員となる見込み。RIZIN.13は30日夜、地上波ではフジテレビで放映される。