ボランティアの語源は、ラテン語のボランタスからだという。自由意思などと訳される。当初は志願兵の意で使われたようだ▼2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、東京都と組織委員会がボランティアの募集を開始した。一生に1度あるかないかの貴重な体験となろう。多くの人が応募すればいいのにと思うが、そうもいかない問題をはらんでいる▼早大の2年生が作成した「東京五輪学生ボランティア応援団」というサイトが話題を呼んでいると、先日の小紙にあった。東京大会の予算が総額1兆3500億円に上ることに触れながら「ボランティアにはびた一文出さない組織委の倹約精神」などと揶揄(やゆ)している▼その背景にあるのが、宿泊の自己手配や過重な自己負担などの条件の厳しさだ。ボランティアに詳しい宇都宮大教育学部の長谷川万由美(はせがわまゆみ)教授は「多くの地方の学生にとっては宿泊費や交通費などがかさみ、参加したくてもできないのでは」と指摘する▼ボランティアは、学生にとって学校やバイト先で味わえない社会経験が積める貴重な機会なだけに極めて残念だとも▼巨額のカネが動く五輪だが、節約は別の分野でもできるはずだ。無報酬でもせめて経費だけは負担する。将来に向けた人材育成につながるのだからと、考え方を変えるわけにはいかないだろうか。