新幹線などと比べると割安な高速バスの普及が目覚ましい。県内からは、成田や羽田空港行きなどのほか、名古屋線というものもある▼福島県郡山市から宇都宮、鹿沼市などを経て名古屋市に向かう。福島交通と名鉄バスの共同運行で2013年から始まった。16年から福島市まで延伸し、ビジネス客を中心にまずまずの乗車率という▼関東自動車(宇都宮市)が12年、みちのりホールディングス(HD、東京都)の傘下に入ったために実現した路線である。同HDは09年の福島交通に始まり茨城交通、岩手県北バス、本県の東野交通などバス会社10社を買収した▼グループ化で会社間の縄張り意識が消え、名古屋線は本県に立ち寄れることになった。規模拡大の好例で、修繕費では各社共通の部品を購入でき、費用削減効果が得られている▼10月1日には、同じ傘下の関東自動車と東野交通が合併し、県全域をほぼカバーする交通事業者が誕生する。厳しい経営環境の中で、バス事業の生き残りを懸けた選択だろう。高齢化が進む中で、サービスの充実をより心掛けてほしい▼両社とJRによる70歳以上のシニア向け全線フリー定期券の運用も始まる。県内の路線バスを乗り放題で利用でき、観光地などへのバス旅は高齢者の外出支援や健康維持にもつながる。面白いアイデアと言える。