町役場で開かれた業者との意見交換会

 栃木県茂木町小貫の大型養鶏施設「茂木のたまご」が悪臭や水質汚濁などの環境悪化を引き起こしている問題を巡り町は30日、同社と鶏卵準大手の親会社「トマル」(前橋市)の都丸雄一(とまるゆういち)社長ら会社側を町役場に呼び、地元行政区の代表者らと共に意見交換した。町は悪臭や水質汚濁等の問題に期間を切って抜本的な対策を打ち出すよう求めた。

 会合は7、8月に養鶏場下流の川に大量の泡が浮き盆中に臭気が一層悪化したことを受けて開いた。地元の小貫、深沢、飯(いい)の区長や監視員、県を加え約20人が参加した。

 会社側は7月以降、新たに消臭剤散布装置の設置や、粉じんや羽根の飛散、悪臭の防止策を実施したが、参加した地元住民らからは対策が不十分だとする訴えが相次いだ。

 町は羽根の飛散を防ぐ装置を有効に機能させることとや排水方法の改善、悪臭を抜本的に抑える方策を9月中をめどに出すよう求めた。

 会合後、取材に応じた都丸社長は「対策は結果的に十分ではなかった。住民の訴えを真摯(しんし)に受け止めて対策したい」と話した。逆川地区の区長会長の男性は会合後「根負けしないように対応するしかない」と語った。

 古口達也(こぐちたつや)町長は「従来の対策は効果が上がったとは言い難い。全てに対して抜本的な対策を講じるよう要望したい」と述べた。