間もなく完成する「大樹の灯り」と鎌田さん=23日午後、宇都宮市雀の宮5丁目

 宇都宮市雀の宮5丁目、和紙あかり作家鎌田泰二(かまたたいじ)さん(72)が、東武鬼怒川線のSL「大樹(たいじゅ)」をモデルにした作品「大樹の灯(あか)り」の制作に励んでいる。同線沿線の鬼怒川公園(日光市藤原)で29日に始まるイベント「月あかり花回廊」に出展を予定しており、ほのかな明かりで浮かび上がる幻想的なSL大樹が会場を彩る。

 秋の鬼怒川温泉街の夜を幻想的にライトアップする「月あかり花回廊」(同実行委員会主催)は今年で10回目。鎌田さんは初回から関わってきたという。SL大樹が運行1周年を迎える直前の8月上旬、実行委を通し東武鉄道側から「1周年記念とともに東北復興も願う作品を作ってほしい」と依頼された。

 「機械構造がむき出しの蒸気機関車で、しかも真っ黒な車体にどう明かりを仕込むのか」と鎌田さんは素材や制作手法を模索。ロッド(針金)をロウ付けしながらフレームを組み上げ、防水の観点から和紙ではなく黒い不織布を張り込むことにした。

 全長170センチ、高さ70センチ、幅55センチ。内部には白色の発光ダイオード(LED)4個をセットし、「かに目」といわれる二つのヘッドライトは電球色の明かりをともす。蒸気機関車らしく煙に見立てた水蒸気が出る仕掛けも備えた。

 制作開始から約1カ月が経過。完成に向け作業は大詰めを迎えており、鎌田さんは「ぜひ多くの人に会場へ足を運んでもらいたい」と話している。

 月あかり花回廊は10月8日まで。コンサートやおもてなし屋台などが楽しめる。ライトアップは午後6~9時半。