スマホ育児、目への影響は 栃木県内専門医がアドバイス 近視の可能性高まる 予防に1日1時間の屋外活動

 子どもにおとなしくしてほしい時や、家事などで手を離せない時。困った時の神頼みではないが、子守役にスマートフォン(スマホ)などを頼りにしている親は多いだろう。一方で、幼い目への影響を不安視する声も少なくない。原眼科病院(宇都宮市西1丁目)の原岳(はらたけし)院長は「スマホを長時間見ていれば当然、近眼になりやすくなる。予防には1日1時間の屋外活動が効果的」と話す。

 慣れた手つきで画面に指を滑らせる。音声入力機能を使って探し当てたのは人気のアニメ動画だ。スマホを操作しているのは、3歳の女の子。30代の母親は「放っておけば、ずっと見ている。便利だけど…」と表情を曇らせる。

 学識経験者や学校関係者らでつくる「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」が未就学児の親1149人に行った調査によると、1歳児の4割、3歳児の6割がスマホなどを使っていた。使用頻度も「毎日」「ほぼ毎日」が5割を占め、幼い子どもとスマホなどの密接な関係が浮かぶ。一方で大半の親が不安を抱え、中でも「目が悪くなることや視力発達への悪影響」を懸念する割合は、最も高い59・2%に上った。

 しかし「子どもの目に百害あって一利なしか? というとそうでもない」と原院長。生まれたばかりの時にほとんどなかった視力は、物を見ることによって徐々に成長し、6歳までに1・0くらいに達する。スマホなどの使用が一生懸命物を見るきっかけになり、視力発達に役立つ側面もあるという。

 弱視などがある子どもの場合、細部を判別して見る力を育てるため、治療の一環としてスマホゲームを活用する例もあるそうだ。

 「ただ、使用が頻回で長時間にわたれば、近視になる可能性は高くなる」と原院長。遺伝的要因が強い「軸性近視」を除けば、生活習慣による影響が大きく、遠くが見えにくいという近視の子どもは「明らかに増えている」。

 1日1時間以上の屋外活動をする人の方が、しない人より、近視になりにくいとの研究報告もあるといい、原院長は「散歩に出掛けて遠くの景色を見せるなどの工夫を」と呼び掛ける。