人命救助中、日立沖で不明 鹿沼の小島さん善行表彰 姉と弟が出席、友人2人と受賞

 茨城県日立市の海で昨年8月、溺れた男性を助けようとして行方不明になった鹿沼市入粟野、小島尚也(こじまなおや)さん(19)と、一緒に救助に当たった友人2人に20日、社団法人日本善行会から本年度の春季善行表彰が贈られた。緊急時に率先して人命救助したことが評価された。尚也さんのきょうだいと表彰状を受け取った友人2人は、波間に消えた友の姿に心を痛めながらも「尚也の行動が一つの形で認められた」と前を向いた。

 昨年8月19日は今も脳裏に焼き付いている。高校最後の夏の思い出づくりに訪れた日立市。海水浴を終えて帰ろうとした時だった。

 「助けてください」

 浅瀬にいた男性2人に声を掛けられた。指さす先の沖合で男性が溺れていた。いち早く動いたのは尚也さんだった。友人2人も後に続く。男性を抱え、戻ろうとした瞬間。5メートルほどの高さの波に飲み込まれた。

 ばらばらに流され、友人らは何とか海岸にたどり着いた。だが沖に目を向けると、浮き沈みする人の顔があった。「尚也だ」。救助に向かおうとしたが、高波が行く手を阻んだ。次第に海の中に消えていった。

 「助けられなかったのか−」。2人は今も自責の念に苦しむ。男子専門学校生は受賞辞退も考えた。だが「尚也なら『受け取ってきて』って言ったはず。尚也のためだとも思って」。もう一人の友人の男子大学生(18)は「尚也の人生を背負って生きていこうと改めて思い直しました」と受賞を前向きに受け止めた。

 尚也さんの代わりに壇上に上った姉の彩花(あやか)さんは、この日が20歳の誕生日だった。「尚也からのプレゼント。帰ったら尚也にすごいねって伝えます」。弟の侑也(ゆうや)さん(13)は尚也さんの写真を手に「兄が誇らしいです」とほほ笑んだ。