那須塩原市が2014年度までの3カ年で実施した住宅除染の約4割で、費用算出の根拠となる除去土壌を保管する穴の寸法などに誤りが見つかり、市が国から過大に受けた交付金など約1億3800万円を近く返還することが17日、分かった。同日の記者会見で明らかにした。除染事業の請負業者のミスによるもので、市は業者から同額の返還を受けるほか、業者に対し、調査に要した人件費約150万円の損害賠償請求も検討しているという。

 市によると、請負業者は東洋建設関東支店(東京・江東区)で、住宅除染は12~14年度にわたり計1万3295件実施し、費用計算の誤りはうち5818件に上る。国への返還額は環境省へ補助金約5900万円、総務省に特別交付税交付金約7900万円。

 業者が除去土壌を保管する穴を掘削する際、事前の設計図と実際の寸法が異なる場合は現場で施工図を作成し、それを元に除染費用を算出するはずが、当初の設計図だけを用いて費用を算出、市に請求していた。

 誤った件数の大半は実測よりも設計段階の方が大きい「過大なもの」という。このほか、保管穴の覆土の厚さや残土処分量の計算でも誤りがあったという。

 15年6月、市放射能対策課(当時)が作業図面や施工写真を確認したところ判明した。業者も全面的に認めているという。

 市は「住宅の全件検査ができず、誤りに気づけなかったことも要因の一つ」と陳謝。その上で「原因は業者の不十分な確認作業」とし、「偽装でなく稚拙な誤りと判断している」と業者の故意性は否定した。

 また、発覚から2年近くが経過してから発表したことについて「調査に膨大な時間がかかり金額が確定したのが15日。いたずらに市民に不安を与えないため」と説明した。