足利ガス(足利市錦町)は、ガスを貯蔵する「球形ガスホルダー」1基の解体工事を行っている。タンク外装の鋼板をリンゴの皮をむくように切断する珍しい工法を採用し、19日も関係者が作業を進めた。10月中旬には全ての工程が終了する予定。
ガスホルダーは1970年、同市伊勢町4丁目のガス供給所敷地内に建設された。直径は約18メートル。ガスの輸送管の移設などで供給が止まる際のバックアップ機能を担ってきた。近年は輸送管の整備も進み、役目を終えたことから解体が決まった。
工事は9月3日にスタートした。鋼板を渦巻き状に細長く切断。切られた板はリンゴの皮のようにつながったまま、自らの重みで地上に降りていく。作業時間の短縮や経費削減が図れるという。
同社工務課の石井聖(いしいたかし)課長(36)は「今後も設備保全を計画的に行い、ガスの安定供給を通じて安心な暮らしづくりに貢献したい」と話した。