首曲がり仏像「震災記憶の遺産に」 日光・龍蔵寺 

 【日光】大沢町の「龍蔵寺」久松智賢(ひさまつちけん)住職(40)は、東日本大震災の強震で首が曲がった同寺本尊「大日如来(だいにちにょらい)像」を大震災の記憶の遺産として、そのままの状態で後世に残すことを決めた。大震災から6年以上が経過し、記憶の風化などを危惧して悩んだ末の決断だった。仮に修繕する場合も首は曲げた状態で残す方針で、久松住職は「難しい決断だったが、震災は忘れてはいけない」と心境を語っている。

 宇都宮市内の複数のお寺では被災したお堂や本尊を、すぐに修復したことを耳にした。「本来ならば(仏像は)修復しなければいけない」。しかし同寺の法事で参列者から「大震災の記憶を留めるために残すべきではないか」という声が多く挙がった。「このまま残すのも良いのかもしれない」と3年ほど前から考えるようになってきたという。