アカザで作った自家製のつえを手にする手塚さん

 【宇都宮】畑や空き地に生えている一年草の雑草「アカザ」を材料に趣味でつえを作っている昭和2丁目、元理容師手塚節司(てづかせつじ)さん(86)が、自宅兼理容室を訪れた高齢者や体が不自由な人に無料でつえを提供し喜ばれている。手塚さんは「好きな人に使ってほしいので、遠慮せずに来てほしい」と呼び掛けている。

 高さ1メートルほどに伸びるアカザは、茎が太く硬くなるためつえの良質な材料として知られている。手塚さんは10年以上前、自身が経営していた理容室の客から「近所にアカザが生えている。アカザで作るつえは軽くて、とにかく良いらしい」という話を聞き、つえ作りを始めた。

 市内の空き地などで採取したアカザの茎と根を使用。皮をむいて日陰に干し、曲がっている茎は真っすぐにする。乾燥したら磨き上げ、茎の直径幅をくりぬいて根とはめ合わせる。独特な形の根は持ち手部分になり、手のひらによくなじむ。ニスを塗れば完成だ。

 出来上がったつえは長さ1メートル前後、直径約2~3センチ。400本以上を製作し、これまでに約50本を提供してきた。

 理容室は息子が継ぎ、つえ作りに励む手塚さん。「つえは『年を取ったら使う』ものではない。『転ばぬ先のつえ』と言うように、若くても使っていい」と語る。作ったつえは節の数や太さ、長さまで同じものは一つもない。丹精した一本一本を手に「本当の良さを知っている人に使ってもらえれば」と話している。

 腰の位置に持ち手が来る長さがちょうど良いため、身長や体格に合わせて要相談。(問)手塚さん028・622・9744。