旅行大手のグループ会社、JTB関東(さいたま市)に勤務していた元社員の男性(47)に「外貨両替」と称した取引を持ち掛けられ県内や群馬県などの顧客ら30人が計4億1400万円をだまし取られる被害に遭っていたことが、9日までに分かった。30人は元社員と同社、親会社のJTB(東京都)を相手に損害の回復を求める集団訴訟を東京地裁に起こし、4月下旬にあった第1回口頭弁論で元社員は争わず、原告勝訴の判決が言い渡された。

 原告側弁護士などによると30人は「被害者の会」を組織し足利署に被害届も提出。会とは別に少なくとも県内で被害者数人がいるとみられ被害総額は10億円を超える可能性もあるという。

 訴状などによると、元社員は足利市や群馬県高崎市内の支店などに勤務。遅くても2010年ごろから、顧客宅を訪問するなどし「手数料を支払います」などと、顧客の円で米ドルを購入するよう持ち掛けていた、とされる。

 当初は、購入額の4~5%分の「手数料」を顧客に渡したり、ドルと円の再両替にも応じたりしたが、次第に支払いが滞り16年6月ごろ、多額の現金を返さないまま足利署に出向きトラブルを申し出たという。原告側は、元社員と連絡が付かない状態が続いている。

 集団訴訟の第1回口頭弁論は元社員が答弁書を提出せず出廷もしなかったため争わないとみなされ、元社員に対しては原告勝訴の判決が言い渡された。一方、社側は全面的に争う姿勢を示し、「個人の外貨購入者に手数料を支払うことはありえない。(元社員の行動は)原告らとの間の個人取引にすぎない」などとして請求の棄却を求めた。

 JTB関東は16年7月、男性を懲戒解雇したという。JTBとJTB関東は取材に対し、それぞれ「係争中のためコメントは差し控える」としている。