駐車場化する街、歯止めか共生か 人口減、建物跡どう生かす

駐車場化する街、歯止めか共生か 人口減、建物跡どう生かす

 オリオン通りのオープンカフェ事業やユニオン通りの028商店街など、地域ごとににぎわい創出の取り組みが進んでいる。でも、そもそも街なかの現状はどうなっているんだろう。今回は駐車場をキーワードに、課題と解決策を考える。

 大通りを1本中に入ると、至る所に敷地と車が目立つ。「改善されたとは言えないね」と話す宇都宮共和大シティライフ学部長、山島哲夫(やましまてつお)教授。

  ■街区の半分■

 2016年6月に行った調査では、市が定める中心市街地(約320ヘクタール)でコインパーキングと月ぎめ駐車場に施設付属駐車場、企業の契約駐車場も加え精度を上げた。その結果、駐車場は約1300カ所。駐車可能台数は約2万1700台分あったという。

 山島教授は、一番町、二番町周辺5街区(道路で囲まれた区域)の地図を見せてくれた。何とここは全面積の約4割(37・9%)が駐車場で、そのうち2街区はいずれも約5割を占めていた。街の中心部なのに、人より車が占めるスペースが多いとは…。

 駐車場化しやすい場所について、山島教授は「空き家化した戸建て住宅や来客が多い施設の周辺」と分析。その上で「駐車場ばかりの地域に人は集まらない。どういう街を目指すのか考えないと、魅力が失われる」とし、車に依存しない街づくりの必要性を説いた。

  ■量から質へ■

 一方、駐車場や空き地を街づくりに生かす考え方もある。宇都宮大大学院を卒業した二荒町のカマガワポケット代表、中村周(なかむらしゅう)さん(29)は、2月の博士論文発表会で「地方都市中心市街地における空地の形態構成に関する研究」を発表した。

 「今後の人口減少社会を考えれば、空き地の増加は避けられない。だから空き地の量ではなく、質(どんな空間か)を念頭に、街づくりを考えた方がいいと思うんです」と中村さん。

 調査対象は、住宅地や商店街、市役所、二荒山神社など多様な形態が入り交じった中心市街地の旧市街地(約46ヘクタール)。140街区のうち125街区に駐車場や未利用地などの「空地」があったが、特に空地が2カ所以上隣り合う「連担空地」に目をつけた。

 釜川沿いを例に挙げ「連担空地ができて道路沿いの建物がなくなると、街並みが分断され、奥(隣)の建物の裏側が表に出るんです」。結局イメージ低下か…と思いきや「でも、隣に空地があることを前提に建てた建物は、空地側にバルコニーやピロティなどを設置する傾向があります」。

 空地を空間と考えれば、建物が光や風を取り込む一つの要素になる!

 気がつけば、また建物が“消えている”街なか。別の方策で駐車場化を抑えるのか、活用できる空間として共生するのか。ここに住む私たち自身が、答えを導き出したい。