小山市の民家で2016年、母子の遺体が見つかった事件で、長男への殺人、妻への承諾殺人罪に問われた同市中久喜4丁目、無職静井武(しずいたけし)被告(67)の裁判員裁判判決公判が27日、宇都宮地裁で開かれた。二宮信吾(にのみやしんご)裁判長は無理心中の事情が全くなかったことを挙げ「子に相談することなく、生命を奪う最悪の選択は安易かつ浅はか」と懲役9年6月(求刑懲役11年)を言い渡した。

 長男和幸(かずゆき)さん=当時(32)=の右首は誰が切り付けたかが争われていた。検察側は被告、弁護側は妻米子(よねこ)さん=同(65)=と主張。二宮裁判長は遺体の状況から「米子さんが切り付けた可能性は十分にある」としつつ断定を避けた。

 米子さんが携帯電話契約で支払いきれないほどの金額が請求されると誤信し、無理心中を提案したことを認定。2人の命が奪われた結果の重大性に触れた。夫婦関係や被告の性格などの影響、妻の精神状態も要因としたが、「犯行を回避する種々の手段に十分目を向けなかった」と判示した。