雪崩事故は危機意識の欠如 那須山岳救助隊長・大高さん「安全に山の魅力感じて」

 「40人以上も巻き込まれる雪崩なんて初めて」。那須町の雪崩事故は、那須の山で育ち、山と暮らす那須山岳救助隊隊長の大高登(おおたかのぼる)さん(89)も経験したことがない悲劇だった。「(雪崩対策の)冬装備を持たずに雪の急斜面に連れて行くなど危機意識がない」と厳しく指摘する一方「苦労して頂上に立つ充実感は何とも言えない。山を甘く見ず、本当の魅力を感じてほしい」と訴える。

 「献花に来る人が今も絶えない」。事故から27日で1カ月。大高さんは変わらず現場を見つめ続けている。

 救助隊は結成45年。その間、雪崩事故の出動は今回を含め3回だけ。今回の事故については「冬は誰も近づかない場所で、装備もなく訓練とは…。山を甘く見ていたと言わざるを得ない」と厳しく指摘する。

 危機感の欠如は、今回の事故に限らず最近増えた登山客にも感じていたという。「山ガール」の言葉が生まれるなど登山に人気が集まる一方、軽装で登り頂上で震える人もいる。

 「地元の人の言うことを聞き、きちんとした装備で入ってほしい」と呼び掛ける。

 山は本来、自然の魅力にあふれているという。「那須の山には本当の山の魅力があるんだ」。安全に、良さを感じてほしいと願う。