遺族が知事に要望書提出 「8人の命を無駄にしないで」 那須雪崩事故

遺族が知事に要望書提出 「8人の命を無駄にしないで」 那須雪崩事故

 「8人の命を無駄にしないで」。那須町の国有林で大田原高の8人が死亡した雪崩事故で、犠牲者の遺族らは16日、福田富一(ふくだとみかず)知事と検証委員会に、真相究明などを求める要望書を提出した。「思いはあの日で止まったまま」。検証委初会合には遺族、けがをした生徒と保護者ら15人が足を運び、再発防止への切なる願いを胸に議論に耳を傾けた。

 当日の雪の状況、天候、そして雪をかき分けて進む「ラッセル」訓練実施の判断−。12項目に及ぶ疑問点を記した要望書を読み上げた後、突然声を詰まらせた。

 亡くなった鏑木悠輔(かぶらぎゆうすけ)さん(17)の父浩之(ひろゆき)さん(51)。「自分も大好きな那須山(那須岳)でこんなことが起きるなんて…」。思いを語り始めると、堪えきれなかった。「5月になったら家族で登ろう」。悠輔さんから誘われていたという。

 「大惨事は二度と起こさないで。強い思いはここにいる皆が同じ」。うそ偽りのない徹底した検証と、納得のいく説明を求めた。

 要望書は検証委の会場と同じ県公館で提出し、遺族と負傷した大田原高生徒ら計10人が並んだ。

 福田知事は終始、沈痛な面持ちで耳を傾けた。「あってはならない重大事故を未然に防げず、改めて心からおわび申し上げます」。そう言うと、宇田貞夫(うださだお)県教育長と共に深く頭を下げた。