靴用反射材の張り方を説明する大貫署長(右)

 【足利】足利交通安全協会(大美賀厚(おおみかあつし)会長)と各地の老人クラブが開いている高齢者向け交通安全講話が注目を集めている。講師は大貫良之(おおぬきよしゆき)足利署長で、自ら反射材の着け方を手ほどきする。大美賀会長は「署長自らとは異例で、効果もあると思う」と話している。

 「この場で、(反射材を)張るお手伝いをします」。22日、三和公民館での講話で、大貫署長が約60人に切り出した。自ら参加者の前にしゃがみ、靴に張るタイプの反射材を着け始めた。

 ポイントはその場で着けること。配布するだけだと、持ち帰って着用されないことも多いからだ。「署長自ら…」はインパクトが大きい。三和地区の山村誠三(やまむらせいぞう)老人ク連合会長(84)は「署長さんが丁寧に説明してくれて、事故を防ごうという配慮を感じる」と感謝する。

 同署管内の交通死亡事故は6日現在、鉄道事故を含む2件(死者2人)。昨年分を含めた死者6人は全員高齢者で、5人は歩きか自転車で事故に遭った。

 こうした状況を踏まえ、同安協と足利警察官友の会(深井孟(ふかいたけし)会長)は今年、靴用と腕などに巻くタイプの反射材を各3千個作った。

 反射材には大美賀会長も思い入れがある。地区支部長だった1970~80年代、主に児童・生徒への普及に力を入れた。「反射材と車のハイビームで高齢者の事故を防げる」と話す。深井会長も「効果を上げてほしい」と期待する。

 署長の講話は6月に始まり、市内22の地区老人ク連合会を行脚、年内でほぼ全地区を回る。大貫署長は講話を「反射材を活用して、長生きしてほしい」と締めくくった。より多くの高齢者に着けてもらえるよう願っている。