せっかく散歩するなら、日頃“わざわざは行かない所”にしたいな…ということで、今回選んだのは「道の駅」! たぶん私たち若者世代の多くにとっては、家族ドライブの途中で親に「行こう」と言われたりして立ち寄る程度の場所。なんなら、親だけ買い物に行って私たちは車の中で寝て待ってたりして、「行きたい!」と思って行く目的地というイメージはあまりないのが正直なところだ(ごめんなさい)。あえてそこを目指して行ったら、何か発見があるのかな?

森谷祐依(もりやゆい)、川又万由佳(かわまたまゆか)、神戸美咲(かんべみさき)

 

◆土地から生えた? 田園風景になじむ建物(益子)

 どこへ行こうか調べ始めて、まず建物の写真に目が止まったのは「道の駅ましこ」。2016年にできたこの建物は、翌年には県内で初めてJIA日本建築大賞を受賞、さらにグッドデザイン賞(2018年)、日本建築学会賞(2020年)など、多くの賞を取ったという。

 早速、現地に行ってみた。まるで美術館か、おしゃれなカフェのような建物! 裏庭には水田が広がっている。有名な益子焼を目当てに東京方面から来る人たちに、この田舎の風景は人気があるそうだ。

原っぱに生えて来た?建物群

 こんなに多くの自然が広がっているにもかかわらず、まだ新しいこの道の駅はなぜ景色になじんでいるのだろう? 実はここを建設する際、町長は「この土地から生えてきたような建物にしたい」というリクエストを出したという。そのリクエスト通り、建物には木のぬくもりも感じられ、まるで最初からここにあったかのように建っている。

工芸品や農産物加工品などが販売されている店内

 建物内にも、年間約3万個を売り上げるプリンや地元の作家さんが作った工芸品、農産物を使った加工品など、益子の「土地から生えてきた」商品が多く並んでいた。地元の工芸家によるワークショップや体験会など、イベントも土地から生えていた。

◆活性化全国モデル 間近を走るSLに感動(茂木)

 次に訪ねたのは、日本中で6カ所だけの「全国モデル」に選ばれている「道の駅もてぎ」。“地域活性化の拠点として特に優れた機能を継続的に発揮している”と国土交通省が認めた道の駅で、栃木県内では唯一選定されているとのこと。へぇ~。

 さらに、ここのゆず塩ラーメンは「道-1グランプリ」で4年連続1位に輝き、殿堂入りを果たしている。茂木の特産品のユズをたっぷり使い、肉は一切入っていない野菜ラーメン。ヘルシーで食べやすく女性に大人気で、2時間待ちの列ができたこともあるということで、早速注文してみた! 湯気から、ツンとしないまろやかなゆずの香り。う~ん、おいし~い! 汁まで飲み干してしまうほど、さっぱりしていて食べやすい。体もぽかぽかだ。

ゆず塩ラーメン

 他にも、アイスクリームなのに冬限定の「おとめミルク」、小麦アレルギーの方にお薦めの「米粉バウム」、農協を介さず独自の審査ルールで出品している新鮮な農産物などたくさんの魅力があって、そのため地元の方々でもスーパーの代わりとして利用する方も多いのだとか。と同時に遠方から立ち寄るお客さんもとっても多く、私たちも駐車場で県外ナンバーやツーリングの方々をたくさん見かけた。

 そして何と言っても、私たちのいち推しは、駆け抜ける蒸気機関車! 「道」の駅なのにすぐ隣を線路(真岡鉄道)が通っていて、21年間生きてきて初めて見たSLは、かなり感動的だった。車体の見た目はもちろん、道の駅から見ている私たちに向けて車掌さんや乗車中のお客さんほぼ全員が手を振ってくれたりして、その場にいる人たちの謎の一体感や田舎ならではののどかな雰囲気に、とても魅了されてしまった。

道の駅から、こんな間近にSLが!(土日祝のみ運行/2月は運休)

 今度はSLに乗ってここを駆け抜け、笑顔を向ける「道の駅もてぎ」のお客さん達に車窓から手を振ってみたいな。

◆ごぼうメンチ 餃子ガチャ(壬生・宇都宮・芳賀)

 この他にも、私たちはいろいろな「道の駅」を訪ね歩いた。「みぶ」の名物であるごぼうメンチとカミナリ汁は両方ともおいしくて、特にごぼうの香ばしさと食感は普通のメンチにはない感じ。他にも餃子(ぎょーざ)ドックがあったり、SNS映え間違いなしの搾りたてのモンブランを売っていたりして、若者が来ても楽しめる!

香ばしい!ごぼうメンチとカミナリ汁

 「うつのみや ろまんちっく村」は、とにかく広い。温水プールや温泉などもあり、平日なのにたくさんの人が! ここでは、なんと餃子のガチャガチャを発見。ゲットした宇都宮の有名な餃子のキーホルダーは、なんかクセになるかわいさだ。

可愛い餃子ガチャ

 「はが」では、芳賀町の特産品である梨を使った梨ミルクのジェラートが印象的。最初は、梨の味が微妙にする程度だったけど、食べ進めるうちにはっきりと「あ! 梨の味する」と実感するので、お試しあれ。

色とりどりのジェラートたち。奥のカップの右側が梨ミルク!

 ―――こうして各地の道の駅を巡る私たちに、道の駅もてぎのスタッフ坂本草太(さかもとそうた)さん(営業推進企画部)は、こんな言葉をかけてくれた。「道の駅は、地域によってそれぞれの特徴があります。その土地の《隠れた良いところ》、そしてその地域の《普通》を発見することができるので、ぜひ1度立ち寄ってみてください!」

 本当に、その通りだな。初めて向き合った道の駅は、私たちには新発見ばかりの“未知の駅”でした!

散歩を終えて

大学と連携の動きも

 全国的に見ると、一部の道の駅は地元の大学との間で連携協定などを結び、就労体験型実習や商品開発などを実践しています(栃木でも数例)。先月の「とちぎ創生セミナー」でも、「道の駅で地元の学校給食を提供し、栃木の食文化を体験してもらおう」という白鴎大生からの提案が示されました。道の駅の魅力や多様性、何だかこれから面白そうかも!

道の駅を取材した3人