田名網さんの畑で実ったヘビウリ

 【佐野】蛇の姿に似たウリ科の植物「ヘビウリ」を農作物の鳥獣害対策に活用する「実験」に、JA佐野が取り組んでいる。外国の例を参考に始めた試みで、山間部の多い葛生地区などでの効果が期待されている。ヘビウリは炒め物としておいしく食べられるため、関係者は「将来、新たな佐野ブランド食品になれば一石二鳥」と話している。

 ヘビウリはインドやパキスタンが原産とされ、長さ1メートル以上の細長い果実を付けるウリ科の一年草。果皮には筋が入り、果実は育つと巻くようにうねり、遠目には蛇がぶら下がっているように見える。

 JA佐野吾妻支店の相良賀唯(さがらよしただ)支店長が、知人のスリランカ人から「蛇に見えるヘビウリを動物は避けるので、スリランカでは鳥獣害対策に使う」と聞いたことをきっかけに、実験を始めた。同国から取り寄せた苗を同支店玄関前に植えたほか、鳥獣害が深刻な葛生地区の農業関係者にも苗を分けた。

 葛生地区の山間。昨夏、育てたトウモロコシ約2千個がサルの被害に遭ったという柿平町、農業田名網収(たなあみおさむ)さん(78)の畑でも、ヘビウリを苗を6株植えた。8月以降、順次実がつき始め、現在は約50個の果実が揺れている。

 田名網さんは「不気味な姿」と苦笑するが、効果は表れつつある。農道を挟んだ畑ではナスやカボチャがサルに食い荒らされているのに対し、田名網さんの畑では8月以降は被害が出なかったという。

 これまでに行った電気柵やネットなどの対策はあまり効果が出なかったといい、田名網さんは「ヘビウリは本当に効果があるのかもしれない」と期待を寄せている。

 また、ヘビウリはアジアの一部では野菜として食べられており、キノコ類などと塩こしょうで炒めると美味だという。相良支店長は「鳥獣対策の効果が実証されれば、市内でヘビウリ生産が広まり、将来的には農産物として出荷できるかもしれない」と二重の期待を寄せている。