シニア向け全線フリー定期券を扱う3社の路線バス

 関東自動車(宇都宮市簗瀬4丁目、手塚基文(てづかもとふみ)社長)、東野交通(宇都宮市平出工業団地、手塚基文社長)、ジェイアールバス関東(東京都)が、70歳以上の高齢者を対象に県内の全路線バスを乗り放題で利用できるシニア向け全線フリー定期券「おでさぽ70」を発売することが30日、分かった。10月1日から運用を開始する。単独のバス会社による類似した試みはあるが、複数の会社の取り組みで県全域をほぼカバーするのは全国でも珍しい。

 「おでさぽ70」は高齢化が進む中、高齢者の外出を支援し、免許証返納を含め自家用車から路線バスへの利用転換を促すことで、路線バスネットワークの維持や客の利便性向上を図るのが狙い。日常利用のほか、日光、那須、益子など観光地への“バス旅”が定期券で気軽にできるとしている。

 定期券の購入時点で70歳以上が対象。顔写真付きのマイナンバーカード(個人番号カード)、運転免許証、健康保険証のいずれかの提示が必要となる。定期代は1カ月が6千円、3カ月は1万5千円。9月28日から各営業所などで販売する。

 定期券の有効期間中は、日光市の東武バスや路線のない野木町などを除き、県内のほぼ全域で3社の全路線バス約200系統が自由に乗り降りできる。1日当たりに換算すると、料金は200円以下となる。

 3社は10月1日、宇都宮市中心部の路線バス短距離区間で10~20円引き上げる運賃改定を予定しており、高齢者の負担感の緩和にもなりそうだ。

 経営面から路線バスを見た場合、利用人員が多くても少なくても運行コストは変わらず、利用人員が少しでも増えれば、その分だけ収益改善に反映される。県内の70歳以上の高齢者数は約37万人。県人口の約19%を占めており、高齢者の利用が少しでも増えれば、路線バスネットワークの維持強化につながるという。

 関東、東野の運行人員は1日当たり約5万人。