廃校でキクラゲ栽培へ 佐野、旧野上小に国内最大級工場

 【佐野】利活用策が懸案となっていた旧野上小跡地で、農産物の生産加工販売などを手掛ける民間会社「プレスト」(東京都港区)が無農薬キクラゲ生産加工設備を設置、国内最大級の年間約100トンの収穫を計画していることが、26日までに分かった。施設内には地元の意向に沿う形で地域内外住民の交流スペースなども設け、2018年度中の生産開始を目指す。キクラゲによるむらづくりに、地元住民も大きな期待を寄せている。

 同校跡地は市北部の中山間地にある。2013年3月に閉校。地域の活気がなくなることを危惧した同地区の住民グループ「野上を考える会」(横塚洋一(よこづかよういち)会長)が16年末、市に地域の防災拠点や介護福祉施設として活用することを求めた。

 市はプロポーザル方式で17年末にプレストを事業者に決定。旧校舎の鉄筋コンクリート3階建て(総延べ床面積1776平方メートル)と駐車場や旧校庭の一部、旧校舎の底地、外周部分の計2300平方メートルを貸し付ける。期間は5年間で、賃貸料は月額20万6142円。

 キクラゲ生産施設は、旧校舎1~3階の各教室など計約1500平方メートルに設置。地元住民を中心に年約40人の従業員を雇用し、3カ月周期で年4回の菌床栽培を行う。国内のキクラゲは90%以上を中国産が占め、国産は数%。計画では「佐野名水キクラゲ」などの名称でブランド化し販路を拡大する。

 地域活動の拠点として、1階の旧職員室部分約250平方メートルは地元住民に無料開放。同会は(1)郷土料理を提供する食堂(2)住民の交流の場(3)読書などでくつろげる空間−に活用する考え。

 旧校舎の耐震工事は市が18年度に行う。工事後に同社が各施設の整備を行い、社員募集や研修を実施した上で、同年度中の生産開始に向けて準備を進める。