県教委の障害者雇用率水増し問題で、県教委は2011年度に雇用率が全国最低となったことを受け、他県の事例を参考にして、12年度から障害者手帳を確認せずに精神疾患などの休職者を算入し始めたことが24日、関係者への取材で分かった。当時の担当部署は国のガイドラインから外れることを認識していたが、算入を休職者に伝えて、後から手帳を取得してもらえば問題ないと考えていたという。算定方法の変更は当時の教育長にも伝えていた。

 県教委は22日の記者会見で、「人事担当者が制度を拡大解釈していた」「不注意だった」と説明し、組織的な不正は否定していた。

 関係者によると、11年度に全国最低の雇用率に落ち込み、県教委は改善の方策を改めて検討。他県では、うつ病などの長期休職者について、障害者手帳を確認せずに精神障害者として算入している事例があるという情報を非公式につかんでいた。

 手帳取得の要件に該当する教員らの把握に努め、申請すれば手帳が取得できると判断した教員らについては12年度から算入を始めた。国のガイドラインから逸脱することは認識していたものの、当時は雇用率への算入を当該の教員らに伝え、後から手帳を取得してもらう方針だったという。

 関係者は「どこの県でもやっているだろうと考えていた。後から手帳を取得してもらうことで、ガイドラインに沿うよう算定方法を変更したつもりだった。障害者の採用枠を設けても応募が集まらない非常に苦しい事情の中で、決して悪気があったわけではない」と釈明した。

 また算定方法の変更は当時の古沢利通(ふるさわとしみち)前教育長にまで報告し、担当部署だけの判断ではなかったという。一方、県教委は17年度分の雇用率については不適切に算入した教員らに対し、算入の事実を伝えていないことを明らかにしている。

 古沢前教育長は下野新聞社の取材に対し、「(全国最低だったため)障害者雇用の掘り起こしを指示した。休職者を算入するという報告は受けていたが、国のガイドラインに反するとは知らなかった。今にして思えばまずかった」と話した。